この記事でわかること
- コンセプチュアルスキルの定義
- コンセプチュアルスキルの構成要素
- カッツモデルと現代における違い
Tokky(とっきー)現代では様々挙げられていますが、社会人2年目でマネージャークラスの業務をこなすようになった自分が特に主要であると感じている能力は次の8つになります。
- 抽象的思考力(アブストラクトシンキング)
- システム思考力(システムシンキング)
- 戦略的思考力(ストラテジックシンキング)
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
- 垂直思考力(バーティカルシンキング)
- 批判的思考力(クリティカルシンキング)
- 創造的思考力(クリエイティブシンキング)
- 水平思考力(ラテラルシンキング)
コンセプチュアルスキルは、1955年、カッツモデル(カッツ理論)を通じて管理職に求められるスキルの一つとして初めて登場しました。



カッツモデルとは、役職に応じて管理職に求められる3つのスキルのバランスが変化することを示した理論です!


当時、そんなコンセプチュアルスキルは、トップマネジメント層で相対的な重要性が一番高いと捉えられていました。
しかし、ドラッカーモデルの誕生などを通じて、現代では全マネジメント階層で一律に必要なスキルとして捉えられています。



ドラッカーモデルとは、日本の教育・人材開発業界がカッツモデルを基にドラッカーのマネジメント理論を組み込んで再構築したとされるマネジメントスキルの体系図です!


そのことに伴い、コンセプチュアルスキルの構成要素も変化していっており、また複雑化もしています。
そこで、今回はそのような背景を踏まえつつ、またカッツモデルにおける内容にも軽く触れながら、自分の普段のマネジメント業務から、
現代におけるコンセプチュアルスキルの主な構成要素は?
ということについてお話ししていきます。
コンセプチュアルスキルの定義
本題に入る前に、コンセプチュアルスキルの定義について簡単にお話ししておきます。
現代における定義
個人的に思う現代におけるコンセプチュアルスキルとは、
のことです。
概念化能力とは
ここにおける概念化能力とは、
にことを指すとします。
カッツモデルにおける定義
一方、カッツモデルの原文では、コンセプチュアルスキルを次のように述べています。
引用:Academia 『Skills_of_an_Effective_Administrator』 – Robert Lee Katz
- These attitudes are a reflection of the administrator′s conceptual skill (referred to by some as his “creative ability” – the way he perceives and responds to the direction in which the business should grow, company objectives and policies, and stockholders’ and employees’ interests.
- Yet the concept of skill, as an ability to translate knowledge into action, should enable one to distinguish between the three skills of performing the technical activities (technical skill), understanding and motivating individuals and groups (human skill), and coordinating and integrating all the activities and interests of the organization toward a common objective (conceptual skill).
カッツモデルにおけるコンセプチュアルスキルの構成要素



先程お話しした定義を基に、本題であるコンセプチュアルスキルの構成要素についてお話ししていきます。
まずは、カッツモデルで挙げられた構成要素からお話ししていきたいのですが、実は整理して直接的に述べられているわけではありません。



しかし、実際に原文の『Skills of an Effective Administrator』を読んでみると、構成要素として捉えられそうな内容はいくつか見受けられました。
そこから整理すると、大きく次の2つがあると解釈できます!
企業を全体として捉える能力
まず、カッツモデルでは、コンセプチュアルスキルには、企業を全体として捉える能力が伴うとしました。



そして、この企業を全体として捉える能力には次のようなこと(要素)が含まれるとしました。
- 次のようなことが認識できる
- 組織の様々な機能が互いにどのように依存し合っているか
- ある部分における変化が他のすべての部分にどのような影響を及ぼすか
- 自らの状況において関与している様々な要因の相互関係
- 個々のビジネスと次のような関係が可視化できる
- 業界
- コミュニティ
- 国家全体の政治的・社会的・経済的な力



ちなみに、これの参考とした実際の内容は以下になります!
引用:Academia 『Skills_of_an_Effective_Administrator』 – Robert Lee Katz
- As used here, conceptual skill involves the ability to see the enterprise as a whole; it includes recognizing how the various functions of the organization depend on one another, and how changes in any one part affect all the others; and it extends to visualizing the relationship of the individual business to the industry, the community, and the political, social, and economic forces of the nation as a whole.
- “…the essential aspect of the [executive] process is the sensing of the organization as a whole and of the total situation relevant to it”.
- (c) sufficient conceptual skill to recognize the interrelationships of the various factors involved in his situation, which will lead him to take that action which is likely to achieve the maximum good for the total organization.
ゼネラル・マネジメントの視点
加えて、カッツモデルでは、コンセプチュアルスキルにはゼネラル・マネジメントの視点として常に次のような観点から考えることが必要であるとしました。
- 相反する目標や基準の間の相対的な重点や優先順位
- 確実性ではなく相対的な傾向や確率
- 明確な因果関係ではなく要素間の大まかな相関関係やパターン



上記の該当箇所となる本文は以下になります!
引用:Academia 『Skills_of_an_Effective_Administrator』 – Robert Lee KatzIn retrospect, I now see that what I called conceptual skill depends entirely on a specific way of thinking about an enterprise. This “general management point of view,” as it has come to be known, involves always thinking in terms of the following: relative emphases and priorities among conflicting objectives and criteria; relative tendencies and probabilities (rather than certainties); rough correlations and patterns among elements (rather than clear-cut causeand-effect relationships).
現代におけるコンセプチュアルスキルの構成要素



次は、冒頭でも挙げた、自分の普段の業務を通じて特に重要であると感じる8つのコンセプチュアルスキルの構成要素についてお話ししていきます。
抽象的思考力(アブストラクトシンキング)
抽象的思考力とは、ある物事を一部分ではなく俯瞰して視ることでその物事の本質を捉え、またそこから一般的な原則や理論、概念などを導き出す能力のことです。



この抽象的思考力および思考プロセスに関して、自分が独自に整理した内容の一つとして、以下があります。
- ある物事に着目する
- ある物事を軸にした全体を俯瞰する
- 構造・パターンを見出す
- 共通点の抽出
- 一般化(原則化・理論化・概念化など)
システム思考力(システムシンキング)
システム思考力とは、一部の事象に目を奪われず、各要素間の相互依存性や相互関連性を把握して全体的な構造やその動きを捉える能力のことです。
この思考を視覚化する際によく使われるモデルとして、次の2つがあります。
- ループ図
-
ある現象を構成している各要素の因果関係を表わした循環図
- 氷山モデル
-
目に見える現象にはパターンと構造、価値観や思い込みなどの目に見えない要素が隠れていることを表した図
戦略的思考力(ストラテジックシンキング)
戦略的思考力とは、長期的な視点から物事や未来の展望と変化、機会などを捉えて最適な戦略を立案・実行する能力のことです。



この戦略的思考の一例として、以下のようなプロセスが挙げられます。
- ゴールの明確化
- 現状分析(内部・外部環境の把握)
- 選択肢(戦略)の立案
- 評価と意思決定(最適解の選択)
- 計画の設計・実行



あるいは、上記のような思考プロセスの例より、判断したことから複数出た選択肢を比較検討し、責任を持ってその中から最適な選択肢を選んで実行する意思決定能力であるとも言えます。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
論理的思考力とは、ある物事を筋道立てて考えることや体系的に整理することなどによって矛盾がない一貫性のある結論を導き出す能力のことです。
論理的思考力を視覚化および表現したツールとしては、次のようなものがよく挙げられます。
- 演繹法
- 帰納法
- アブダクション(仮説形成法/仮説的推論)
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
- MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)



そして、普段でよく使う論理的思考力では言語能力や数学力が問われるととても感じます。
そのため、論理的思考力では、学問がとても重要になるとも感じます。
垂直思考力(バーティカルシンキング)
垂直思考力とは、論理的に一つの方向に深く掘り下げながら正しい答えを導く能力のことです。
この思考プロセスの具体例として、PDCAサイクルが挙げられます。
※PDCAサイクルとは
仮設思考※に基づいて「Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)」を繰り返すことによって効率的かつ効果的に業務を進める施行のことです。人によって、Action(改善)をAdjust(調整)とすることもあります。
※仮説思考とは
目標を達成するために仮説を指す仮の結論を立て、それに基づいて情報収集や検証、修正を行うロジカルシンキングの一つを指します。



一方で、このPDCAサイクルは、戦略的思考力でお話ししたSTEP5の思考内容でもあります。
このことから、垂直思考力とは、戦略的思考において決めた選択肢(戦略)を徹底的に構築および検証するための思考能力とも言えます。
批判的思考力(クリティカルシンキング)
批判的思考力とは、前提や根拠などを疑いながらある物事を鵜呑みにせずに客観的または論理的かつ多角的な視点で考える能力のことです。



そして、この思考内容は抽象的思考のSTEP2の内容でもあります。
よって、批判的思考力は、ある物事を正しく判断・評価するためにその物事の本質を見極める思考能力であるとも言うことができます。
創造的思考力(クリエイティブシンキング)
創造的思考力とは、既存の常識や固定概念にとらわれず、論理的に新しい発想でアイディアや価値を生み出す能力のことです。
この思考プロセスに関して、1926年に心理学者グレアム・ウォラス氏が『創造的思考の芸術(The Art of Thought)』で次のように体系化しました。
- 準備(Preparation)
- 孵化(Incubation)
- 閃き(Illumination)
- 検証(Verification)
そして、1950~1960年代後半ごろ、ジョイ・ギルフォード氏の『知能構造理論』において、創造的思考には2つのタイプがあるとしました。
- 発散的思考
-
アイディアをできるだけ多く、自由に、柔軟に出す思考法
- 収束的思考
-
出したアイディアを絞り込み、最適なアイディアを選ぶ思考法
さらに、1966年にE.P.トーランス氏が開発した『トーランス創造的思考テスト』では創造性を4つの観点で評価していました。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 流暢性(Fluency) | アイディアをたくさん出す力 |
| 柔軟性(Flexibility) | アイディアの種類・視点を変える力 |
| 独自性(Originality) | 他人と違うユニークなアイディアを出す力 |
| 精緻性(Elaboration) | アイディアを細かく具体的にふくらませる力 |



つまり、創造的思考力とは、4つの力を基に発散的思考と収束的思考を駆使する思考能力であるとも言えます。
水平思考力(ラテラルシンキング)
水平思考力とは、創造的思考とは異なって論理的に考えすぎず、突飛的または飛躍的な発想でアイディアや価値を生み出す能力のことです。



エドワード・デ・ボノ氏が提案したこの思考ツールの代表例として、以下のものが挙げられます。
- ブレインストーミング
- 逆転発想(Reversal Thinking)
- ランダムワード法
- 挑発テクニック(Po)
一方で、現代において水平思考力と論理的思考力、批判的思考力の3つの思考力は、総称としてトリプルシンキングと呼ばれることがあります。



そして、トリプルシンキングは、社会人やビジネスにとって必要な能力の1つと言われることもあります。
この記事の要約



今回のお話をQ&A形式で要約しておきました!
コンセプチュアルスキルとは?



カッツモデルが誕生した時と現代では、次のように定義されています。
- 現代における定義
-
現代では、コンセプチュアルスキルとは、全体を俯瞰しながらあらゆる物事の本質を捉えて適切な判断や戦略的な意思決定などを行う概念化能力のこととしています。

Tokky(とっきー)

ここにおける概念化能力とは、個々の具体的な物事および事象から共通する特徴や性質などを発見および抽出することによって、一つの概念として体系的に整理または構築する能力のことであるとします。
- カッツモデルにおける定義
-
カッツモデルでは、コンセプチュアルスキルとは、共通の目標に向かって組織の全ての活動や利害を調整・統合するスキルのこととしていました。
あるいは、そのビジネスが成長すべき方向や会社の目標と方針、株主や従業員たちの利益の認識や対応の仕方を指す創造力のことであるともしていました。
カッツモデルで言われていたコンセプチュアルスキルの構成要素は?



まず、カッツモデルでは、コンセプチュアルスキルの構成要素に関して整理して直接的に述べているわけではありません。
しかし、原文の『Skills of an Effective Administrator』から、間接的に読み取って解釈すると、次のような整理が可能です。
- 企業を全体として捉える能力
- 次のようなことが認識できるようになる
- 組織の様々な機能が互いにどのように依存し合っているか
- ある部分における変化が他のすべての部分にどのような影響を及ぼすか
- 自らの状況において関与している様々な要因の相互関係
- 個々のビジネスと次のような関係が可視化できるようになる
- 業界/コミュニティ/国家全体の政治的・社会的・経済的な力
- 次のようなことが認識できるようになる
- ゼネラル・マネジメントの視点(常に次のような観点から考えられること)
- 相反する目標や基準の間の相対的な重点や優先順位
- 確実性ではなく相対的な傾向や確率
- 明確な因果関係ではなく要素間の大まかな相関関係やパターン
現代におけるコンセプチュアルスキルの主な構成要素は?



現代では様々挙げられていますが、個人的に特に主要であると感じている能力は次の8つになります。
- 抽象的思考力(アブストラクトシンキング)
-
ある物事を一部分ではなく俯瞰して視ることでその物事の本質を捉え、またそこから一般的な原則や理論、概念などを導き出す能力のことです。
- システム思考力(システムシンキング)
-
一部の事象に目を奪われず、各要素間の相互依存性や相互関連性を把握して全体的な構造やその動きを捉える能力のことです。
- 戦略的思考力(ストラテジックシンキング)
-
長期的な視点から物事や未来の展望と変化、機会などを捉えて最適な戦略を立案・実行する能力のことです。
あるいは、判断したことから複数出た選択肢を比較検討し、責任を持ってその中から最適な選択肢を選んで実行する意思決定能力であるとも言えます。
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
-
ある物事を筋道立てて考えることや体系的に整理することなどによって矛盾がない一貫性のある結論を導き出す能力のことです。
- 垂直思考力(バーティカルシンキング)
-
論理的に一つの方向に深く掘り下げながら正しい答えを導く能力のことです。
- 批判的思考力(クリティカルシンキング)
-
前提や根拠などを疑いながらある物事を鵜呑みにせずに客観的または論理的かつ多角的な視点で考える能力のことです。
もしくは、ある物事を正しく判断・評価するためにその物事の本質を見極める思考能力であるとも言えます。
- 創造的思考力(クリエイティブシンキング)
-
既存の常識や固定概念にとらわれず、論理的に新しい発想でアイディアや価値を生み出す能力のことです。
一方で、4つの力※1を基に発散的思考※2と収束的思考※3を駆使する思考能力であると言い換えることもできます。
※1 4つの力
スクロールできます項目 説明 流暢性(Fluency) アイディアをたくさん出す力 柔軟性(Flexibility) アイディアの種類・視点を変える力 独自性(Originality) 他人と違うユニークなアイディアを出す力 精緻性(Elaboration) アイディアを細かく具体的にふくらませる力 ※2 発散的思考
アイディアをできるだけ多く、自由に、柔軟に出す思考法のことです。
※3 収束的思考
出したアイディアを絞り込み、最適なアイディアを選ぶ思考法のことです。
- 水平思考力(ラテラルシンキング
-
創造的思考とは異なって論理的に考えすぎず、突飛的または飛躍的な発想でアイディアや価値を生み出す能力のことです。
まとめ|コンセプチュアルスキルの主な構成要素は様々
今回は、コンセプチュアルスキルの捉え方の変移を踏まえつつ、構成要素についてお話ししてきました。



そして、現代におけるコンセプチュアルスキルの主な構成要素として、自分は普段のマネジメント業務から特に重要と感じた8つの思考力を挙げてお話ししてきました。
しかし、原文でも述べられているように、コンセプチュアルスキルを含む他のスキルは密接に関連しています。
引用:Academia 『Skills_of_an_Effective_Administrator』 – Robert Lee KatzIn practice, these skills are so closely interrelated that it is difficult to determine where one ends and another begins.



ちなみに、上記におけるこれらのスキルとは、コンセプチュアルスキルとテクニカルスキル、ヒューマンスキルの3つを指しています。
そのため、コンセプチュアルスキルの構成要素は、一概に思考力だけでなく、実際には技術力や人間力など他にも様々あることとなります。



よって、コンセプチュアルスキルの構成要素を理解するためには、テクニカルスキルやヒューマンスキルについても学んでいくことが必要になります。
その2つのスキルについてもお話ししているため、これを機会にぜひ以下の記事をご覧になられてみてください!



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